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Channel: 第弐章 「悠久の大義」
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1959年1月14日、1年前に南極に置いてけぼりにされた“タロとジロ”が見っかった!! 良かった、良かった!の巻

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1956年11月、第1次南極観測隊は樺太犬のタロ・ジロ等計22頭と共に南極観測船宗谷で南極に向かいました。
 
この南極観測船宗谷と言う船は、
 
もともとソ連が発注した耐氷型貨物船でしたが、
 
国際情勢の悪化からソ連には引き渡されずに、日清汽船にチャーターされた後、
 
海軍が買い上げ1939年に特務艦となりました。
 
大戦中は主として輸送艦の任に就き、太平洋戦線各地を往復しています。
 
姉妹艦等はことごとく撃沈され、宗谷も敵潜水艦の雷撃で魚雷が命中したこともあるが、
 
不発にて被害を受けませんでした。
 
米軍のトラック島大空襲では、海軍は壊滅的な打撃を受けます。
 
宗谷は回避行動中に座礁してしまいますが、トラック島の泊地でたった1隻生き残っています。
 
ことごとく難を逃れてきた宗谷は、駆逐艦雪風に勝るとも劣らぬ「幸運の艦」と言えますね
 
 
 
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戦後まもなくは引揚船として復員任務に従事しています。
 
 
 
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その後1956年11月8日、初代南極観測船として出港します。
 
1957年1月29日、東オングル島に到着。昭和基地を建設。
 
 
 
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1958年2月、第2次越冬隊を乗せて近づいてきたが、
 
天候の悪化から宗谷は昭和基地には到着できません。
 
昭和基地から帰還する第1次隊員を宗谷に収容するのが精一杯で、
 
1年間苦楽を共にした犬たちは鎖につながれたままでした。
 
宗谷自体に危険が迫ったため、第2次越冬隊の派遣は中止。
 
犬たちを収容できずに南極を離脱します。
 
帰国後隊員たちは犬を置き去りにしたことで、日本中からバッシングを受けます。
 
この犬たちを供養するため、大阪府堺市に樺太犬慰霊像が建立されました。
 
 
 
 
帰ることのない隊員たちの帰りを待ち続け、遠吠えをあげる犬たちをイメージしてあります
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1959年1月14日、第3次越冬隊のヘリコプターが上空から昭和基地に近づいたところ、
 
2頭の犬の生存を確認しました。
 
第1次越冬隊で犬係だった北村泰一によって生存は「タロとジロ」と判明。
 
 
 
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基地には7頭の犬が首輪につながれたまま息絶えており、他の6頭は行方不明。
 
第3次越冬隊がこの2頭が協力し合いながらペンギンを狩るところを目撃してるので、
 
おそらくこのように狩りをおこなったり、アザラシのフンを食べながら生きていたのではないかと思われます。
 
 
 
 
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タロとジロの生還は日本中に衝撃と感動とをもたらし、
 
当時開業したばかりの東京タワーに15頭の樺太犬記念像が設置されました。
 
(2013年に立川市の国立極地研究所へ移転しました)
 
 
 
 
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タロは1961年5月4日に4年半振りに日本に帰国。
 
1970年8月11日に死亡するまで札幌市の北海道大学植物園で飼育されていました。
 
人間でいうと90歳くらいまで生きたことになります。
 
ジロは1960年7月9日昭和基地で病死。
 
 
 
その後タロとジロは剥製にされ、
 
タロは北海道大学植物園に、ジロは国立科学博物館に展示されています。
 
 
 
 
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一方「宗谷」は、
 
南極観測船の役目を6回こなし、役目を終えた後は巡視船として活躍。
 
1978年10月1日、宗谷は40年にわたる波乱にとんだ任務を終え、
 
東京の「船の科学館」で保存展示されています。
 
 
 
当時は犬たちを置き去りにしたことで相当の非難が上がったようですが、
 
極地で共に生きた隊員たちが好き好んで置いていったとは考えにくいです。
 
鎖につないでいたのも、隊員を宗谷に送り届けた後に収容に向かうつもりだったのでしょう。
 
しかし天候が悪化し・・・。
 
 
犬は人の心を理解し、人は犬に癒されることがあります。
 
一番つらかったのは、迎えに行けなかったあの当時の隊員たちだったでしょう。
 
 
 
 
 
最後に、タロとジロは南極でぺギラとは遭遇しなかったのでしょうかねぇ
 
 
 
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