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Channel: 第弐章 「悠久の大義」
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帝国海軍は過去を反省し教訓としないのか!?1944年2月17日-18日、トラック島は敵艦載機の空襲を受け被害甚大!!の巻

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トラック諸島とは、現在のミクロネシア・チューク諸島のこと。

第一次世界大戦まではドイツの植民地だったが、戦後日本の委任統治領となった。

環礁によって囲まれた内海は穏やかで、海軍にとっては泊地に持って来いとして軍事基地化が進みます。



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米軍が餓島で反攻作戦を開始し、その後フィリピンへ向かおうとすれば、

トラック島はフィリピンと真珠湾を結ぶ線にあり、

本土からの補給物資の集積地、前線への出撃拠点として戦略上最も重要視されます。




1943年5月、トラック泊地の武蔵と大和
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餓島奪回作戦で海軍は輸送船の大半を沈められ、

最後は“東京急行”と呼ばれた駆逐艦による“鼠輸送”や、潜水艦に頼るしかありませんでした。



トラック諸島が絶対国防圏の一角とするならば、

なぜトラックへの輸送船団の防備を強化しなかったのでしょう。

この海域に敵潜水艦がウヨウヨしてることは承知してたはず。


1943年11月23日にトラックに向かった第3123船団は、

武器・弾薬・基地強化の為の建設資材等、約7000トンを輸送しようとしたが、

案の定4隻が沈められ1隻だけがトラックに到着し、

陸揚げできたのはわずか1割程度だったそうです。



ひそかにトラック近海に進出した米海軍は第58空母任務部隊。

「ヨークタウン」「エンタープライズ」「イントレピッド」「エセックス」「バンカーヒル」の正規空母のほか、

「ベローウッド」「キャボット」「カウペンス」「モンテレー」の軽空母も伴う大艦隊。

保有航空機は約600機。



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敵は2月17日早朝に攻撃隊を発進させ、まずは日本軍の航空戦力を壊滅させます。

陸揚げして間もない天山艦攻・新型の零戦52型など、一日に二百数十機を破壊し制空権を奪いました。



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参考画像(春島・竹島飛行場ではありません)
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空を奪われた日本軍の艦船はことごとく標的とされ、次々に沈められます。



直撃弾を受け、積載してる魚雷や弾薬が誘爆した愛国丸
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迎撃・追撃に移った日本軍機もほとんど帰還しなかったが、唯一テニアンから出撃した陸攻が

空母「イントレピッド」に魚雷1本を命中させ大破させたのが光ります。



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この空母「イントレピッド」ちゅう艦はめっちゃしぶといやつで、

後のレイテ沖海戦・沖縄戦で計5回も特攻機が命中したにもかかわらず、結局沈むことはなかった。

戦艦大和を撃沈したのもこの艦の貢献が大きかったそうです。



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戦後は退役し、現在はニューヨークのマンハッタンで「イントレピッド海上航空宇宙博物館」

として一般開放されています。


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この空襲によって、艦艇10隻・船舶33隻が沈没。

備蓄していた燃料・弾薬・食料も大量に失われ、

トラック諸島は海軍根拠地としての機能を事実上喪失してしまいます。

米軍がトラック諸島に上陸することはなかったが、制海権と制空権を奪われた日本軍守備隊は

本土から孤立した状態で終戦を迎えます。




トラック方面への敵偵察機飛来の情報を得ると、連合艦隊主力艦艇の避難は優先的に行われたけど、

輸送船等一般商船はそのままにされた。

いくら花形の戦艦とは言え、特設艦・輸送船が燃料・水・食料品・弾薬等を運ばなければ

ただの“浮かぶ鉄くず”でしかないのに・・・。


冒頭で述べたように、

特設艦・輸送船をなおざりにした結果、輸送船団の防備は希薄となり、

中には17日の空襲の日にトラックに近づいた輸送船団は、そのすべてが撃沈され

陸軍の派遣部隊約7000名もトラック直前で海の藻津と消えました。


敵艦隊接近の情報をつかんでおきながら、「多方面へ行動するだろう」と、

根拠のない推測で第一警戒配備を敷かなかった。

などと、餓島であれだけ辛酸を舐めた経験は、ここでもまた生かされませんでした。

トラックが“大東亜共栄圏の一角”と言っておきながら、

海軍自身の慢心と緊迫感の欠如、謙虚さを忘れたことが

やすやすとトラック諸島を壊滅させてしまった原因と思います。


局部的には切れ者でも、大局的には無能者の海軍幹部のおかげで、

ここでもまた多くの人材を失い、ただただ無念としか言いようがありません。



炎上する練習巡洋艦「香取」
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今もトラックの海底に眠る日本人遺骨と積み荷の戦車
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